研究課題/領域番号 |
26861023
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研究機関 | 京都医療科学大学 |
研究代表者 |
富高 智成 京都医療科学大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70636597)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 医療被ばく / リスク認知 / CT / 放射線 / リスクコミュニケーション / 意思決定 |
研究実績の概要 |
1.本研究の目的 近年,社会問題となっている医療被ばくの中でもその過半数を占めるというCT検査に使用する線量を低減するため,被ばく情報の把握・管理に関する研究が行われている。この中で,受診者にも被ばく情報を提供すべきではないかという議論があるが,実際に受診者たちがそのような情報を必要としているのか,知らせた際にどのような反応をするかは不明である。そこで本研究では,一般成人がCT検査に対しどのような認識を持っており,被ばく情報の提供や提供の仕方などでその認識にどのような影響が出るかを明らかにすることを目的とした。 2.平成26年度の研究成果 平成26年度においては,当初の研究計画に沿って4つの研究活動を行った。(1)調査の準備:先行研究文献および関連資料の入手,作成済みである3種類の質問紙の再構成,大量のデータを処理するための機材の調達,記録様式の設定,調査補助要員の確保などを行った。(2)既有調査データの再分析・公表:本研究テーマに関連して過去において大学生を対象とし収集したデータのうち解釈困難であったものを再分析し,日本健康心理学会第27回大会にて発表を行った。(3)医療機関での調査:検診受診者497名を対象とし,3種類の質問紙に対する回答を医療機関にて求めた。(4)データの分析:医療機関で収集したデータの入力・確認と統計ソフトによる分析を行い,次年度における学会発表に向けての準備を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去に行った予備調査をもとに医療機関での検診受診者を対象としたデータ収集を当初の予定よりも大きな規模で行うことができた。このため,データの分析に若干時間を要しているがおおむね順調に進展していると言うことができる状態である。
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今後の研究の推進方策 |
これまで使用したCT検査と被ばく情報に関する質問紙と過去の同様な質問紙を平行して調査をし,より妥当性の高い質問紙であることを確認する。さらに,これらの質問紙を被ばく情報の提供の前後やリスクコミュニケーションの前後で調査し,それらの効果を測定する。 また,新たにX線CT検査に関する知識尺度を作成し,CT検査や被ばく情報に関する態度と知識の関連を探る。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていくうえで必要に応じて研究費を執行したため当初の額と執行額が異なったが,計画に変更はなく,当初の予定通りの計画を進めていく。
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次年度使用額の使用計画 |
①研究動向の入手のために学会・講習会への参加・発表を行う。②知識提供者との情報交換のため出張する。③調査補助員の人件費。④書籍,データ分析に必要な物品の購入。
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