研究実績の概要 |
1.本研究の目的 近年,社会問題となっている医療被ばくのなかでもその過半数を占めるというCT検査に使用する線量を低減するため,被ばく情報の把握・管理に関する研究が行われている。このなかで,受診者にも被ばく情報を提供すべきではないかという議論があるが,実際に受診者たちがそのような情報を必要としているのか,知らせた際にどのような反応をするかは不明である。そこで本研究では,一般成人がCT検査に対してどのような認識を持っており,被ばく情報の提供や提供の仕方などでその認識にどのような影響が出るかを明らかにすることを目的とした。 2.平成27年度の研究成果 平成27年度においては,当初の研究計画に沿って4つの研究活動を行った。(1)データの分析:平成26年度に収集した検診受診者497名の3つの調査データに関して,因子分析・共分散構造分析による解析を行った。(2)データの公表:大学生と検診受診者を統合した3つの調査データの因子分析結果をそれぞれ第24回日本パーソナリティ心理学会,第79回日本心理学会,第56回日本社会心理学会において発表した。(3)新たな調査の準備:平成28年4月に新たに進級した診療放射線技師養成大学の各学年の学生を対象にCT検査に対する態度調査を行う準備を行った。(4)新たな調査:平成28年3月に卒業した診療放射線技師養成大学の卒業生にCT検査と医療被ばく管理システムに対する態度調査を実施した。
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