研究課題
平成27年度は、前年度から行っている慢性低灌流モデルマウスを用いた[11C]flumazenil-PETおよび免疫染色法による神経密度評価および、MRIによる脳萎縮評価、光イメージングによる脳血管機能評価の研究を進めた。この研究により、慢性低灌流モデルマウスは神経脱落及び脳萎縮が生じないが、低灌流後1ヶ月で脳機能障害が生じることが明らかとなった。この成果は、国際誌(Scientific reports 2016 Apr 27;6:25072. doi: 10.1038/srep25072)に掲載された。昨年度に立ち上げた新規光イメージング装置を用いて、慢性低灌流モデルマウスの血管機能評価のための基礎的なデータを測定した。具体的には、CO2吸入負荷時の脳血管反応性における動脈及び毛細血管および静脈の機能の関係性を明らかにした。この研究成果は、国際誌(Microcirculation. 2015 Nov;22(8):744-52.)に掲載された。さらに、脳神経機能評価のためのフラビン蛋白蛍光イメージングの補正法の開発に成功し、昨年度に国内学会(ニューロフォトニクス:2015年12月東京)にて報告した。この方法を用いて、慢性低灌流モデルマウスの神経活動の低下を直接的に観察することに成功した。慢性低灌流モデルマウスにおける脳神経伝達機能を評価することを目的として、覚醒状態のマウスからPETを測定できる実験系を構築し、その有効性を評価した。この研究成果は、国際誌(Synapse. 2015 Dec;69(12):600-6.)に掲載された。さらに、PETと光のマルチモーダルイメージングのシステム開発にも成功した。この研究成果は、国際誌(Physics in Medicine and Biology)に投稿中であり、現在、Minor revisionとして査読中である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Scientific reports
巻: 27 ページ: 25072
10.1038/srep25072
Microcirculation
巻: 26 ページ: in press
10.1111/micc.12285.
巻: 22 ページ: 744-752
1111/micc.12250
Synapse
巻: 69 ページ: 600-606
10.1002/syn.21864. Epub 2015 Oct 1.