研究の第一段階として、片側の総頚動脈結紮による慢性低灌流モデルマウスの立ち上げを行い、二光子顕微鏡による脳血管構造の経時変化を測定した。慢性低灌流下において、細動脈および毛細血管での顕著な血管拡張が観察された。さらに細動脈においてCO2吸入負荷時の脳血管反応性に伴う血管拡張率を測定し、慢性低灌流後の血管拡張率と比較した結果、両者に負の相関関係があることが示された。次に、[11C]flumazenil-PETおよびMRIにより神経脱落及び脳萎縮を評価したが、それぞれ有意な変化はなかった。一方で、慢性低灌流後1ヶ月において脳賦活時の神経機能低下を示した。
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