研究課題
今年度は標識部位としてbeta-Trp塩酸塩を含む腫瘍細胞浸透促進オリゴペプチド(Tumor-penetrating peptides) iRGD(CRGDKGPDC)およびiNGR(CRNGRPDC)の合成、そして標識化を検討した。beta-Trpを含むiRGDと炭素11ホルムアルデヒドによるピクテスペングラー反応を検討したところ、beta-Trpを含むiRGDの水溶性が著しく低下した。そのため様々な溶媒で溶解したところDMSOが一番良かったものの、ピクテスペングラー反応の収率が著しく低下した。またbeta -Trp-iNGRも同様の傾向を示した。
4: 遅れている
iRGD(CRGDKGPDC) およびiNGR(CRNGRPDC)の合成は固相法を用いたペプチド合成を行い調製した。さらにFmoc- beta-Trpを導入後、脱保護次いで樹脂からの脱離を行い、前駆体(beta-Trp-iRGDおよびbeta-Trp-iNGR)を調製した。次にb-Trpとホルムアルデヒドを反応後、Fmoc基を導入したFmoc- beta-Tpiを調製した後、固相合成によりそれぞれの標品を調製した。しかしながら前駆体の水溶性がTrp-iRGDと比較して著しく低下した。これは疎水性が向上したためだと考えられる。様々な溶媒を検討した結果、DMSOが一番溶解することを確認したが、炭素11ホルムアルデヒドによるピクテスペングラー反応を手合成により検討した結果、収率が大幅に減少した。様々な条件を試みたが、改善が見られなかった。また、beta-Trp-iNGRを用いた標識反応も上記と同じ傾向を示した。
フッ素-18のアルミニウム錯体を導入したiRGDの標識化とPET撮像の検討。標識部位としてキレーターを導入したiRGDを合成し、PET核種としてフッ素-18で標識反応を検討する。具体的にはフッ素-18のアルミニウム錯体を調製し、ペプチドとの標識反応を行う。コールド体の癌浸透性オリゴペプチドと標識化した癌浸透性オリゴペプチドを同時、またはコールド体の癌浸透性オリゴペプチドを事前投与することにより癌細胞に対する標識ペプチドの集積量の変化を評価する。
使用する機器が故障し、また実験結果が予想と大幅に異なったため。
実験計画を変更し、化合物の合成に必要な試薬類を購入する。
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EJNMMI Research
巻: 6 ページ: 1-14
:10.1186/s13550-016-0170-2
PEPTIDE SCIENCE 2015
巻: 52 ページ: 663 - 668