移植後抗HLA抗体のスクリーニングを小児肝移植患者を対象として広く行い、その頻度やリスク因子を解析し明らかにした。抗HLA抗体陽性となるリスク因子について検討を行い、移植時年齢が3歳未満の症例ではドナー特異的抗HLA抗体の陽性率が高いことを明らかにした。このことにより、幼児期に肝移植を受けた患者には、積極的に抗体スクリーニングを行うことが妥当であると考えられた。さらに、スクリーニング範囲を小児肝臓移植患者全体に広げ、多変量解析を行うことにより、移植時年齢と抗HLA抗体出現が関連を認めた機序として、免疫抑制剤の維持量が独立したリスク因子として認められた。
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