研究課題
[内容]１）タッチレスインタフェースによる術中画像操作、ナビゲーション：既存の3D画像解析ワークステーション（SYNAPSE VINCENT）を用いて胃癌患者固有のCT画像から3Dファイルを作成。その画像を手術現場において滅菌術衣・滅菌手袋を着用した執刀医が術中にタッチレスインタフェース「AeroTAP」により自在に操作可能であることを実証した。また、これを応用して、遠隔操作で腹腔鏡手術映像にラインペイントやポインター表示を可能とした注釈（アノテーション）ソフト「AeroDRAW」を共同研究企業（ネックステッジテクノロジー）と開発した。本研究成果は国内学会で報告し、手術画像支援ツールとしての有効性の検証を継続している。２）可変3D胃切除シミュレーションソフトの開発：筑波大学とIT企業（レキシー）が産学連携で共同開発した可変3D肝切除・膵臓切除シミュレーションソフト「Liversim」を改良し、「胃」及び「膵臓」を任意に変形できる腹腔鏡下胃切除シミュレーションを開発した。これにより, 3Dで再現された患者の胃を任意に牽引、変形させ腹腔鏡下手術の視野を再現でき、手術シミュレーション及び術中ナビゲーションとして活用することが可能となった。[意義]１）タッチレスインタフェースにより、執刀医本人が、ガウンや手袋を外さずに画像を術中操作できる意義は大きい。腹腔鏡アノテーションは、手術を安全に実施するための脈管解剖、注意すべきpit fallを可視化でき、手術の安全性・確実性を高めるナビゲーションとして有効である。２）消化管は、手術中の操作で容易に移動、変形するため、これまで術前安静時のCTがナビゲーションとして有効に活用できなかった。術野を再現できる可変3Dソフトでは、肝臓などの実質臓器のように新たなナビゲーション方法が実現できる可能性がある。
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