病的肥満患者における胃内グレリン発現状況には個体差があり,グレリン発現量が高い患者ほどスリーブ状胃切除後体重減少効果が大きいが,発現量に関わらず全例がスリーブ胃切除により糖尿病が寛解した.また,スリーブ切除後残胃小彎にグレリン発現および食欲が亢進する症例が存在し,このような症例は他の症例と比較し,血中インスリン値・Cペプチド値が正常値化しない傾向がみられた.また,このような症例は体重リバウンドを認めた. 以上から胃内グレリン発現量は,スリーブ状胃切除術による糖尿病改善効果に直接的相関は認めなかったが,間接的もしくは一因子として影響している可能性が示唆された.
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