我々のこれまでの研究から、EZH2 (Enhancer of Zeste Homolog 2)という蛋白質が癌の進展に関わっている事が分かっており、今回このEZH2を制御するマイクロRNA (miR) を、肝細胞癌細胞株を用いたデータから検索したところ、miR-32、miR-382という2つのマイクロRNAが同定された。続いてmiR-EZH2の経路がどのように肝細胞癌に作用するかを調べたところ、p16INK4aという癌抑制遺伝子と、CDH1という上皮間葉転換(癌の転移に必要な変化)を抑制する遺伝子の発現を抑制している事が明らかになった。
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