拡張現実(Augmented Realty : AR)とは、周囲を取り巻く現実環境に情報を付加・強調させ、文字通り人間から見た現実世界を拡張する技術である。我々はこの技術を応用し、乳房温存手術において必要にして十分、かつ最低限の切除範囲を手術中に正確に認識可能なナビゲーションサージャリーを実現することを目的とした。本研究では、iPadなどのタブレット端末から、マーカーとなる一筋のレーザー光を発生させ、文字通りそのレーザー光で患者の乳房を「切った切断面」のMRI画像をタブレット端末に表示させる装置を開発した。今後この技術を発展させることで、近い将来の臨床応用を模索していくことが可能である。
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