研究課題/領域番号 |
26861055
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
徳田 恵美 順天堂大学, 医学部, 助教 (70621960)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 乳癌 / ER:HER2 / 薬物治療抵抗性 / クロストーク |
研究実績の概要 |
ER陽性HER2陽性乳癌における薬物療法抵抗性の機序を解明するために、以下の実験を行った。
①ER陽性HER2陽性である乳癌細胞株BT474にハーセプチンを長期投与し、ハーセプチン耐性株を樹立した(R-HER)。PI3K、PTENをはじめとしたHER2リガンドに依存する細胞内のシグナル伝達を蛋白発現で確認し、いくつかの蛋白が親株と耐性株で異なっていることを確認できた。現在耐性株の網羅的遺伝子解析を行い、親株と耐性株の遺伝子変化について検討中である。 ②ER陽性乳癌細胞株のクロストークを解明するために、HER2シグナルの下流シグナルであるPI3Kシグナルの発現亢進の有無につきウエスタンブロットにて確認中である。Akt、S6、MAPK、また細胞周期に関するRb蛋白に関して確認中である。 また、PI3Kシグナルに重要な役割を示す蛋白PI3Kp110α(PIK3CA)の遺伝子発現について、乳癌細胞株数株を用いcDNAよりPCRを行いシークエンサーを用い解析を行った。現在、EXON9、EXON21について解析を行い、EXON21については細胞株ごとの発現の違いを見ることが可能であったが、EXON9に関してはプライマーの設定に問題が生じ、再度プライマーの設計より実験を行う予定である。今後はPIK3CAの発現とハーセプチン治療・またERをターゲットにしたフェソロデックスの治療効果の相関につき検討を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ハーセプチン耐性株の樹立に予定していたよりもかなり時間がかかってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
①現在ER陽性HER2陽性乳癌細胞株BT474のタモキシフェン(TAM)耐性株(R-TAM)を樹立中であり、R-HER株とシグナル伝達系における蛋白発現の相違について比較検討し、クロストークにより亢進・あるいは減弱するシグナルの同定を進めていく予定である。
②ER陽性HER2陽性乳癌患者の病理組織を使用し、上記と同様の結果が免疫染色で得られるかにつき検討を加え、細胞株においての検討と、実際の乳癌組織のシグナルの発現の変化につき比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に耐性細胞株の樹立に時間がかかったことで、研究の進捗状況が遅れてしまったために、実験が進んでいないことが原因である。
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次年度使用額の使用計画 |
申請時と同様に、細胞の購入、耐性株を作成するための薬剤購入、網羅的遺伝子解析、また免疫染色の抗体購入を目的としている。
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