研究課題/領域番号 |
26861057
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
近藤 直人 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 研究員 (90529166)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 乳癌 / CTC |
研究実績の概要 |
1.CTC分離デバイスの改良:これまでに作成済みのフィルター型CTC分離デバイス試作機が、CTCを簡便かつ高感度に計測可能であることは既に確認している。26年度はフィルターからCTC細胞をマニピュレーターで手動或は自動単離し、迅速にPCR plateに分配できるように装置の改良とソフトの改良を行った。
2 CTC分離デバイスにより単離した一細胞の遺伝子解析法の確立:単離した1個のCTCからRNAを抽出し、上皮マーカーだけでなく、HER2やホルモン受容体(ER/PgR)などの発現をRT-PCR法により定量できる手法を確立にむけて実験中である。また単離した1個のがん細胞から抽出し、プレアンプしたDNAを用いてダイレクトシーケンスにより変異の解析が安定してできる手法に関しても実験中である。
3 乳がん患者血液を用いた臨床試験:改良型デバイスを用いて乳がん患者検体50−100例を測定し、CTC数とステージや転移との関連など各種臨床病理パラメーターとの相関性を検討中である。また単離したCTCのHER2やホルモン受容体(ER/PgR)などの遺伝子発現や遺伝子変異データと原発巣や転移巣との生物学的特徴(ER、PR、HER2など)に関しても測定中であり、CTCがコンパニイオン診断に使えるか否かを検証する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.CTC分離デバイスの改良 これまでに作成済みのフィルター型CTC分離デバイス試作機からCTC細胞をマニピュレーターで手動或は自動単離し、迅速にPCR plateに分配できるように装置の改良とソフトの改良を行っているが、現在のところその精度などについてはまだ高いとは言えず、さらなる改良が必要であるため。 2 CTC分離デバイスにより単離した一細胞の遺伝子解析法の確立 フィルター型CTC分離デバイスからの、癌細胞の単離にばらつきがあるため、マウスモデルにおいても一定した結果が出ていないため。 3 乳がん患者血液を用いた臨床試験 改良型デバイスを用いて乳がん患者検体のCTCの測定は進んでいるが、上述したように一癌細胞の単離に関しては、まだできていないため。
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今後の研究の推進方策 |
1.CTC分離デバイスの改良;前年度の研究項目を引き続き進め完成させる。 2.CTC分離デバイスにより単離した一細胞の遺伝子解析法の確立、および前年度の研究項目を引き続き進め完成させる。 3.乳がん患者血液を用いた臨床試験、および前年度の研究項目を引き続き進め完成させる。
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