研究課題/領域番号 |
26861058
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
益田 邦洋 東北大学, 大学病院, 助教 (30569645)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | Fbxw7 / 胆道癌 |
研究実績の概要 |
本研究は、ヒト胆道癌検体、細胞株を用いて病理学的・細胞生物学的解析を行い、Fbxw7 による基質タンパクの分解機構の破綻が胆道癌発生、進展に関与するかを解明し、それらの基質分子を標的とした分子標的治療を確立するものである。 1.胆道癌細胞株を用いたFBXW7遺伝子変異、発現量解析 FBW7遺伝子は胆道癌において高頻度に(7/20例)変異を起こすことが報告されておりまずヒト胆道癌由来細胞株であるHuCCT1・TFK1・HuH28・IHGGK・TKKKの5種類においてFBXW7遺伝子の変異を解析した。まず、各細胞株よりRNAを抽出し、cDNAを合成した後にPCR にて FBW7遺伝子のcoding regionを増幅しNCBIのリファレンスシークエンスと比較することで変異の検索を行った。胆管癌細胞株HuCCT1においてのみ、F-boxドメイン内に存在する新しいpoint mutation(C881G)を認めたが、この変異は nonsennse 変異であった。各細胞株よりTotal RNA を抽出しRealtime PCRを行い発現量を比較したが、Hucct1と比較しIHGGK・TKKKで発現量が高い傾向が認められた。 2.胆道癌組織におけるFbxw7、基質分子の発現(免疫染色) 2000年から2008年までに東北大学病院肝胆膵外科で手術を行った胆道癌組織を132例を抽出、切片を作成した。免疫染色をするべく準備をしている。合わせてFBXW7の変異を検出するため、genomicDNAを抽出するため、LCMにて癌部、正状部の切り出しを行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
組織標本の状態の確認作業を行っていた。 免疫染色の条件検討に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
1)臨床検体(病理切除標本)を用いて、Fbxw7 変異の有無や発現量を調べ、基質タンパク質の発現の変化を免疫染色にて評価する。予後の明らかな検体を用いることで、Fbxw7 変異や発現量と、 基質分子蓄積と臨床的悪性度の評価を行う。 (2)ヒト胆道癌細胞株において Fbxw7 変異・発現量 を調べ、Fbxw7 野生株、変異株(低発現株)における基質タンパク質の発現量を Immnoblotting により生化学的に検証すると同時に、細胞増殖能、浸潤、転移能を比較検討する。
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