研究実績の概要 |
血清無添加培地を用いて非接着条件下で培養すると、癌幹細胞と考えられる一部の細胞のみがsphereを形成し生育する(sphere formation assay)。すなわちsphere構成細胞には癌幹細胞が豊富に含まれると考えられる。申請者は、食道扁平上皮癌細胞株T.Tn,TE2がsphereを形成することを確認した。申請者は、上記2細胞株の全培養細胞とsphere構成細胞を比較し、後者にenrichされているマーカーを選択する方針とした。食道扁平上皮癌幹細胞マーカーの候補として、まず細胞表面マーカーであるCD24,44,133,EpCAMを検討したが、sphere構成細胞にenrichされている細胞表面マーカーを認めなかった。そこで機能的マーカーであるALDHに着目したところ、ALDH陽性細胞はsphere構成細胞にenrichされていた。また、臨床病理学的にもALDH高発現群は予後不良であった。現在、申請者はALDHを食道扁平上皮癌幹細胞マーカーの候補として考え、上記2細胞株をALDH陽性/陰性分画に分離し、腫瘍形成アッセイを施行している。
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