研究課題
若手研究(B)
大腸癌肝転移の化学療法への応答性や切除後予後を規定する新規バイオマーカーの検索を目的とした網羅的遺伝子解析より、非古典的MHCクラスI分子であるMICA遺伝子の多型を候補として同定した。MICAタンパクの膜貫通領域をコードする遺伝子型は、腫瘍組織、正常肝組織間で96.4%の一致率を示し、腫瘍の抗原性が宿主の遺伝子型に左右される可能性を明らかにした。さらに、MICA遺伝子型が大腸癌肝転移の化学療法に対する病理学的、形態学的奏効と強い相関を示し、さらに切除後の予後と有意な相関を示すことから、MICA遺伝子型が大腸癌の新規バイオマーカーとなりうる可能性を明らかにした。
消化器外科学