肝細胞癌(HCC)の診断・治療標的分子検索のためMAGE-D4の発現・機能解析を行った。HCC細胞株の56%でMAGE-D4発現亢進を認め、ノックダウンにより遊走能・浸潤能抑制がみられた。背景肝群間で発現レベル差を認めなかった。免疫染色法により蛋白発現変化も良好に確認しえた。MAGE-D4のHCC組織中高発現群は予後不良であった。腫瘍部VEGF発現とMAGE-D4発現に相関性が示唆されたが、CD34・HIF-1aとは相関性を認めなかった。HCC群で血清MAGE-D4値の上昇症例を認めたが、AFP・PIVKA-IIと相関関係はなかった。MAGE-D4はHCCの有望な標的分子と考えられた。
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