本研究では、胆道癌細胞株において、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の一種であるvorinostatが、癌の悪性度に関与する上皮間葉転換 (Epithelial-mesenchymal transition; 以下EMT) を阻害し、化学療法抵抗性を減弱させることを示した。その機序として、EMT誘導因子であるTGF-β1のシグナル伝達分子であるSMAD4の核内移行を阻害することを示した。また、gemcitabine耐性株を皮下移植したマウスにおいて、vorinostatとgemcitabineの併用はgemcitabine単剤と比較して生存期間の延長を認めた。
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