研究課題
(1)F13Aは肝切除後肝再生を促進する:F13A投与群では肝切除後肝再生の指標である肝重量/体重比が有意に高値、血清ALT/ASTは有意に上昇が抑えられ、肝細胞増殖(Ki-67、BrdU)は有意に高値、肝組織中のサイクリンD1、E1、A2の発現量が有意に高値であった。(2)F13Aで促進された肝再生中にはクッパ-細胞の活性化が促進され、肝再生が亢進:F13A投与群ではCD69陽性クッパ-細胞/マクロファージ数の有意な上昇を認め、活性化マーカーであるTNF-αの肝組織中遺伝時発現量、血清濃度の上昇を認め、それに伴う血清IL-6濃度の有意な上昇を認め、肝再生亢進に寄与していた。また細胞内シグナル検討では、STAT3、Erk1/2のリン酸化が有意に強いことが示された。(3)F13A刺激はアポトーシス、炎症は誘導せず肝再生の亢進に寄与する:F13A投与群ではカスパーゼ遺伝子発現量を増加させずTUNEL陽性細胞数の増加は認めず、急性期反応タンパクである血清アミロイドA1、フィブリノーゲンの発現量は両群間で有意差を認めなかった。(4)F13Aはin vitroでクッパ-細胞の活性化を促進する:単離クッパ-細胞をF13Aで刺激培養すると、濃度依存性にTNF-αおよびIL-6の培養上清中濃度が増加し、非刺激群に比して有意な増加であった。また初代肝細胞及びヒト肝星細胞株のLX-2細胞にF13A刺激培養したが肝細胞増殖が亢進されることはなく、肝細胞がTNF-α、IL-6を分泌することもなかった。F13A刺激によってLX-2細胞株のHGF発現量が増加することも認められなかった。(5)F13Aは大量肝切除モデルの術後生存率を改善させる:コントロール群では術後7日目の生存率が15%(3/20)、F13A投与群では50%(10/20)であり、有意に術後生存率の改善を認めた。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
J Gastroenterol.
巻: 50 ページ: 573-82
10.1007/s00535-014-0992-5