各実験系より以下の結果が得られた。(1)マウス再生肝においてオートファジー(AP)の活性化を認めた。(2)オートファジーKOマウスでは、肝組織ATPの低下を認めるとともに、ミトコンドリア(Mt)の障害を認めるとともにβ酸化関連酵素の低発現を認めた。(3)肝再生が遅延する脂肪肝マウスにおいて、オートファゴソームの局在が細胞質から脂肪内へ変化していた。以上より、APは再生時の肝細胞で活性化し、肝再生に重要な役割を果たしていた。この機序としてはMtにおけるβ酸化を介したエネルギー産生が重要であると考えられ、脂肪肝における肝切除後においてAPを介して脂肪代謝及び肝再生に寄与することが示唆された。
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