膵癌において、線維芽細胞や細胞外マトリックスから構成される癌微小環境は癌の浸潤、転移、薬剤治療抵抗性に重要な役割を果たしている。量的特徴に注目されている膵癌間質の質的特徴の解明、質的変化が膵癌に及ぼす影響を検討した。 膵星細胞によって形成される細胞外マトリックスは、膵癌細胞の上皮間葉転換を促進する可能性を見出した。また、低酸素環境が、膵星細胞の産生する細胞外基質のリモデリングを通して、膵癌細胞の遊走を促進することを原著論文で報告した。さらに、膵星細胞は細胞外基質のリモデリングを行い、コラーゲン線維の配列を変化させることで癌の浸潤を亢進している可能性が示唆されたことを国内外の学会で発表した。
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