腫瘍におけるRing box protein-1 (RBX1)の役割、治療標的としての意義を検討した。術前未治療胃癌145例の切除標本を用いて免疫組織染色を行った。RBX1高発現例は低発現例と比較し生存期間は有意に短く、RBX1発現レベルは独立予後規定因子であった。ヒト胃癌細胞株のRBX1発現をsiRNAでノックダウンしたところ、腫瘍細胞の細胞周期停止が誘導され、有意に増殖が抑制されるとともに、抗癌剤感受性が改善された。さらには、RBX1発現ノックダウンにより、細胞遊走能が有意に低下した。以上の結果から、RBX1は腫瘍の増殖、転移、抗癌剤治療抵抗性に関与し、治療標的となりうることが示唆された。
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