研究課題
前年度の研究結果において、マウスの解析よりAngptl2の血管における発現誘導の一つとしてNicotinが示唆されたため、本年度は、マウス血管内皮細胞初代培養を樹立し、in vitroにおいてNicotinのAngptl2の発現誘導について検討を行った。その結果、Nicotin投与群においてAngptl2 mRNAの発現の明らかな上昇を認めた。現在、Nicotin によるAngptl2の発現誘導の詳細な分子機構解明について検討中である。また、Angptl2の発現制御機構に関わる分子についてデータベースを検索したところ、Angptl2を標的とするmiRNAの候補を複数見出した。それぞれのmiRNA発現ベクターを用いて培養細胞にtransfectionさせ検討を行ったところ、miR-A, miR-Bに関してAngptl2のタンパク発現低下を認めた。さらにAngptl2結合部位の確認のため、Angtl2-3’UTR(通常配列とmiRNA結合予想部位を欠損させた配列)をLuc cDNAの後に結合させたベクターを作製し、miRNA発現ベクターとともに培養細胞にtransfectionさせルシフェラーゼレポーターアッセイを行った。その結果、miR-A及びmiR-BともにAngptl2-3’UTRに結合することを認め、miR-A及び miR-BのそれぞれがAngptl2の翻訳調節に関与していることが明らかとなった。 また、Angptl2 conditional KOマウスを作製し、Tie2-Creトランスジェニックマウスとの交配を行い、血管内皮特異的Angptl2欠損マウスの樹立を行った。
すべて 2016
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Kidney Int
巻: 89(2) ページ: 327-41
doi: 10.1016/j.kint.2015.12.021.