研究課題/領域番号 |
26861114
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山南 将志 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (30438204)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 小口径人工血管 / 組織工学 / 再生医療 / 生体内組織形成術 / 脂肪由来間質系幹細胞 |
研究実績の概要 |
未だ実用化が困難な径5mm以下の小口径人工血管開発への組織工学的なアプローチとして、自己の結合組織から作成される自家移植用小口径代用血管「バイオチューブ」の開発を進めている。バイオチューブは移植後数ヶ月で自己組織化し血管壁再構築が認められたが、自己組織化するまでの数ヵ月間は血栓閉塞の危険性があり、より迅速な血管壁再構築を誘導する技術が必要である。本研究では、バイオチューブに内皮や平滑筋細胞の前駆細胞を含む細胞群である間葉系幹細胞である脂肪由来間質系幹細胞(Adipose-derived stromal cells; ADSCs)を導入することで移植後バイオチューブの早期血管組織への再構築化を達成することを目的とする。 緑色蛍光タンパク質(Green fluorescest protein; GFP)組み替えLewisラットの皮下脂肪から分離したADSCsを特異荷電培養皿に播種しADSCs凝集体を作製した。次にGFP陰性Lewisラットの皮下にシリコーン円柱基材(径1.5mm、長さ20mm)を4週間埋入し、周囲に形成されたカプセル化組織を摘出、基材を抜去することでバイオチューブを得た。得られたバイオチューブをラット腹部大動脈へ自家移植し、移植直後のバイオチューブ外表面にGFP組み替えラットから得られたADSCs凝集体を貼付け閉腹した。コントロールとしてADSCs凝集体の貼付けを行わないモデルを作製した。 移植後2週後に摘出したところADSCs凝集体由来のGFP陽性細胞がバイオチューブの全周を被服するとともに壁内部にも浸潤、内腔面まで到達していた。ADSCs凝集体由来の細胞が直接的にバイオチューブの内皮化に寄与していることが示唆され、コントロール群に比べてバイオチューブの組織再構築化期間が短縮されると期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの実験でADSCs凝集体を移植後のバイオチューブに貼付けることで、コントロール群に比べて血管壁再構築化が促進される可能性が高いことが示唆された。本研究においての仮説を裏付ける結果となり、研究の目的の達成度としてはおおむね順調に進展しているといえる。 今後、移植実験を数多く行い再現性を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの実験でADSCs凝集体を移植後のバイオチューブに貼付けることで、コントロール群に比べて血管壁再構築化が促進される可能性が高いことが示唆された。今後、移植実験を数多く行い再現性を検討する予定である。 また臨床へ向けたロンググラフトへの応用の検討も行う。10cmを超えるバイオチューブを移植しADSCs凝集体をグラフトに貼付けることでロンググラフトにおいても全長で内皮化を促進できるかどうか検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者が病気療養中であったため、当初予定していた実験を進められなかった。そのため、移植実験に使用する道具などの予算の一部が執行できなかった。 しかし実際に施行できた実験からは充分成果が得られている。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、これまでの実験結果の再現性の確認やさらなる発展をさせるための動物購入や実験道具などの購入に当てる予定である。 また、研究成果を国内外に広く報告するための学会発表のための旅費や論文作成のための費用にも充てる予定である。
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