本研究は,肺移植ドナーで使用されている常温生体外肺還流において,安定維持還流条件では軽度の障害が還流液中の酸素分圧に反映されにくい問題があるため,還流量を増加したストレス負荷条件を作成し,酸素分圧の低下が得られるかを確認するための研究である.通常,予測心拍出量の40%で還流されているが,同条件で4時間還流後に還流量を100%(維持還流量の250%)に増加したが,還流液中の酸素分圧は高値を維持した.その後,還流量を200-400%程度に増加し同様の評価を試みる予定であったが,同回路のセッティングでは,チューブ径や白血球除去フィルターの抵抗などにより同条件の還流量を得ることができなかった.
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