近年、欧米で発見された肺癌原因遺伝子とされるNTRK1転座について日本人の肺癌268例についてその頻度を調査した所、1例も認めなかった。日本人では欧米人に比べNTRK1転座が稀である可能性を示せた。 次に、NTRK1遺伝子転座やNTRK2発現を持つ細胞株に対するNTRK阻害剤AZD7451の薬剤感受性について検討した所、NTRK1転座やNTRK2発現を持つ細胞株の細胞増殖が抑制された。さらにこれらの細胞株がAZD7451で治療されたとき、細胞増殖に働くシグナルが抑制されていることを確認した。以上からAZD7451が今後肺癌に対する治療の選択肢の1つとなる可能性を示せた。
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