研究課題/領域番号 |
26861126
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大竹 宗太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70649954)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 腫瘍免疫 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、当初の計画をもとに、赤色蛍光蛋白に標識された癌細胞株(Lewis lung carcinoma)を、GFPマウス(C57/BL)の肺に移植し、移植後5,10,15日目にマウスを犠牲死させ肺門リンパ節、縦隔リンパ節の微小転移巣を蛍光顕微鏡で観察した。癌細胞とストローマ細胞を含む微小転移巣を観察し、その形態的特徴を経時的に記録した。さらに、得られたリンパ節をコラゲナーゼで分解し、ストローマ細胞をフローサイトメトリーで選別した。ストローマ細胞のフェノタイプを調べるため、CD14、CD45、CD34、CD3、CD4、CD8の発現を解析した。これらの解析の一部は、当初の計画では平性27年度以降に行うと予定していたものを含んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度は、研究計画の途中での変更が若干あったものの、本研究の核となる肺癌リンパ節モデルを確立し転移リンパ節の形成過程における免疫応答を解明する糸口を掴むことができた。平成27年度以降に計画していた、ストローマ細胞のフェノタイプ、および蛋白発現プロフィールの検討を、研究費を前倒し申請し開始することができた。以上の状況を鑑み、研究は概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度以降は、計画の変更は予定していない。前年度に引き続いて、ストローマ細胞のフェノタイプ、および蛋白発現プロフィールの検討をフローサイトメトリーと免疫染色を用いて行う。また、転移能の異なる癌細胞株での解析として、Lewis lung carcinomaではないマウス悪性黒色腫を使用した検討も行う。 リンパ節転移形成の速度や頻度を増加させると予想されるVEGF-Cを強発現させた線維芽細胞と一緒に発育させた腫瘍を使用した検討、およびヒトCancer associated fibroblast(CAF)を含んだ腫瘍での解析を行う予定である。研究の進展に合わせて、ヒトリンパ節検体を用いた研究を予定することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に予定していた実験を概ね遂行し、平成27年度に当初予定していた実験の一部に、26年度中に取り掛かった。そのため、科研費の前倒し申請を行ったものの、使用試薬の再考や実験成果の見直し作業に時間を費やし、申請金額を全額使用するには至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究自体は計画通り推進しているため、平成27年度に行う計画である実験を計画通りに推進する予定である。前倒し申請した金額の残額は平成27年度中に使用する計画である。
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