研究課題/領域番号 |
26861128
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
高橋 祐介 帝京大学, 医学部, 助教 (00445214)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 肺再生 / 肺切除術後 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
本研究計画はマウス左肺全摘術後代償性肺成長モデルを用いて、Notch/TTF-1シグナルが代償性肺成長における肺幹細胞とニッチの改変に深く関与しているという仮説を検証することを研究目的としている。 平成26年度はC57/BL6マウスを用いて、左肺全摘術を行い、左肺全摘術後、12時間、24時間、36時間、48時間、96時間、168時間後にそれぞれ残存右肺を摘出した。全摘術後モデルで、残存右肺の代償性成長が起きていることを肺容積、肺乾燥重量を測定することで確認した。組織学的解析によって、代償性肺成長早期相で肺胞道の拡張が認められることがわかった。この肺胞道の領域は一般的に肺の幹細胞と考えられている、週末細気管支との境界領域である気管支肺胞導管移行部(BADJ)にある、気管支肺胞幹細胞(BASCs)に隣接しており、肺胞道の一時的拡張が代償性成長のトリガーの一部となっている可能性が考えられた。それによって、即時に遺伝子発現の変化が起こる必要があるため、miRNAによってBADJ領域の遺伝子発現調節が起こるものと予想されたため、miRNAのマイクロアレイを行った。 その結果をもとにして、Notch-1、CCSP、Wnt、NFkBの免疫染色を行っている。その解析はまだ結果を得られていない。来年度はその結果によって幹細胞分画へのアプローチ方法を検討する。具体的には、FACSでソーティングして、幹細胞としての性格を検討するのか、siRNA投与実験を先行するかを決定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験および組織学的解析は順調に進んでいる。ただし、現時点では免疫組織化学の結果を解析できていないため、計画を先取りできているわけではない。
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今後の研究の推進方策 |
BADJ領域の構成細胞の分子発現の特徴を知るために、Notch-1、CCSP、Wnt、NFkBの免疫組織化学を行っている。その解析はまだ結果を得られていない。来年度はその結果によって幹細胞分画へのアプローチ方法を検討する。具体的には、FACSでソーティングして、幹細胞としての性格を検討するのか、siRNA投与実験を先行するかを決定する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会出張費を計上しなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
来年度は今年度の繰越金を海外学会での情報収集と関連領域に関する研究発表の資金とする予定である。ほかについては今のところ使途の大きな変更の予定はない。
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