末梢肺に発生するTRU型肺腺癌は、非喫煙者・EGFR変異例が多いことなどが近年の研究でわかってきました。このタイプの肺癌は禁煙による予防効果が期待できないため、その本態解明と予防・根治法の開発が急務です。本研究ではこれまで長期培養が困難であったTRU型肺腺癌の起源細胞と想定されるヒト正常TTF-1陽性細胞の培養法を確立し、これまでほとんど認識されていなかったTTF-1/p63共陽性という特徴的な細胞を同定し、その性質の一部を明らかにしました。私はこの細胞をTRU上皮幹細胞かつTRU型肺腺癌の起源細胞と捉えることで、これまで明らかにされてきたTRU型肺腺癌の特徴をうまく説明できると考えています。
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