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2015 年度 実績報告書

接着因子を利用した多能性幹細胞由来神経細胞移植における神経機能再生促進法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26861146
研究機関京都大学

研究代表者

西村 周泰  京都大学, iPS細胞研究所, 研究員 (90527889)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードヒトiPS細胞 / パーキンソン病 / ドパミン神経 / 細胞移植治療 / シナプス形成 / エストラジオール
研究実績の概要

ヒト多能性幹細胞から誘導したドパミン神経は、パーキンソン病に対する細胞移植治療の有力なツールになることが期待されている。細胞移植治療において、移植したドパミン神経細胞が有効性を発揮するには、脳内の神経細胞と機能的なシナプスを形成する必要がある。本研究では、まずトランスシナプストレーシング法を用いて、移植したドパミン神経細胞が、移植後にシナプスを形成するべき脳内の神経細胞にインテグリンα5が選択的に発現していることを明らかにした。次に、雌性成体ラットにエストラジオール誘導体(エストラジオール安息香酸エステル)を全身持続投与することで、この神経細胞に発現するインテグリンα5が活性化し、細胞接着が亢進することを明らかにした。さらに、パーキンソン病モデルラットにエストラジオール誘導体を全身持続投与し、ヒトiPS細胞由来ドパミン前駆細胞を移植することで、移植したドパミン神経細胞と脳内の神経細胞のシナプス形成が促進され、異常行動の早期改善に寄与することを明らかにした。また、ヒト死後剖検脳を用いた解析において、インテグリンα5の被殻での遺伝子発現は、正常高齢者とパーキンソン病患者で変化がなかった。この結果は、今回の実験動物を用いた研究成果をヒトに応用できる可能性を示唆している。また本研究では、既存薬が細胞移植治療の質的向上に寄与することを示しており、本研究をモデルケースとして、細胞移植治療の効果向上を目的とした創薬研究が進展することが期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Estradiol facilitates functional integration of induced pluripotent stem cell-derived dopaminergic neurons into striatal neuronal circuits via activation of integrin α5β1.2016

    • 著者名/発表者名
      [3]Kaneyasu Nishimura Daisuke Doi, Bumpei Samata, Shigeo Murayama, Tsuyoshi Tahara, Hirotaka Onoe and Jun Takahashi.
    • 雑誌名

      Stem Cell Rep

      巻: - ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.stemcr.2016.02.008

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [図書] BIO Clinica2015

    • 著者名/発表者名
      西村周泰、高橋淳
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      北隆館
  • [備考] 移植後のドパミン神経のシナプス形成を既存薬で促進することに成功

    • URL

      http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/newslist/news/160318-100000.html

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公開日: 2017-01-06  

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