研究課題/領域番号 |
26861149
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森脇 崇 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (20591019)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性期脊髄損傷 / 嗅粘膜移植 / 神経軸索再生 |
研究実績の概要 |
脊髄損傷によって途絶えた神経軸索が再生され、再び脳から腰髄前角細胞まで繋がることで下肢運動機能回復を得たと解剖学的に考えており、現在、その再生過程を補助し、促進することが可能となる神経栄養因子を持続的に付加する骨髄間葉系細胞に注目している。そこで、神経栄養因子が一定期間持続的に脊髄腔内へ分泌されたことによって回復を示した培養自家骨髄間葉系細胞移植による脊髄再生治療に着目し、この神経栄養因子効果を嗅粘膜移植法に効果的に付加する新規移植法の開発を目指す。ラット脊髄損傷モデルに対して嗅粘膜移植を実施し、さらにcombined therapyとして、骨髄間葉系幹細胞(BMSC)を髄腔内投与し、その機能回復効果、効果発現の短縮効果、軸索伸長効果、及び軸索中継細胞 (Relay-neurons)数を主要評価項目として実験し、有効性を示す計画である。主要評価項目であるRelay-neuronsは、移植後の神経再生の概念であるneuron relay formationの中で、重要な役割を果たすが、その移植片由来のRelay-neuronsが、移植嗅粘膜から供給され脊髄固有の介在神経による神経再生と共同で下肢運動機能の回復に寄与することをラット脊髄損傷圧挫モデルを用いて証明し、報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主要評価項目としてのRelay-neuronsは、移植後の神経再生の概念であるneuronal relay formationの中で重要な役割を果たしている。嗅粘膜移植細胞から移植片由来のRelay neuronsが供給されることは、Spine.2014. Jul 15;39(16):1267-73の中で報告した。ただし、嗅粘膜移植細胞移植片由来のRelay neuronsが下肢運動機能改善に対する寄与の度合いについては圧挫モデル特有の問題があり、不明のままである。したがって、評価項目である嗅粘膜移植細胞移植片由来のRelay neuronsの下肢運動機能改善の寄与度の証明として、間接的に、人での移植症例で下肢運動機能回復を示しているケースにおける脊髄DTI、脳fMRIの解析結果から上記証明の可能性について検討している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究実験の評価項目である嗅粘膜移植細胞移植片由来のRelay neuronsの直接的、間接的な下肢運動機能の寄与度の証明をすすめることで、本研究で用いる慢性期脊髄損傷ラットモデルを用いた複数のパラメーターの存在する複雑なcombined therapy(嗅粘膜移植+BMSC髄腔内投与)に対する実験上の評価項目の単純化、立証性の向上が図れると考える。 なお、間接的な下肢運動機能の寄与度の証明の派生的研究としては、臨床研究として推進している慢性期脊髄損傷に対する自家嗅粘膜移植療法における脊髄、脳MRI,および機能回復を示す各検査データを用いる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の評価項目である嗅粘膜移植細胞移植片由来のRelay neuronsの直接的、間接的な下肢運動機能の寄与度の証明をすすめることで、本研究で用いる慢性期脊髄損傷ラットモデルを用いた複数のパラメーターの存在する複雑なcombined therapy(嗅粘膜移植+BMSC髄腔内投与)に対する実験上の評価項目の単純化、立証性の向上が図れると考え、各データの解析をすすめた。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究については、引き続き継続とし、本研究の評価項目である嗅粘膜移植細胞移植片由来のRelay neuronsの直接的、間接的な下肢運動機能の寄与度の証明については、各データの解析をすすめる。
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