研究課題/領域番号 |
26861156
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40437869)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 血液脳関門 / 脳虚血 |
研究実績の概要 |
予備実験において虚血再灌流及び炎症刺激によるBBB破壊に対し、スタチンが拮抗的に働くことを明らかにしているが、今回、降圧薬として用いられているカンデサルタンにも同様の効果があることを見出し、論文報告した(Candesartan Improves Ischemia-Induced Impairment of the Blood Brain Barrier In Vitro, Cellular and Molecular Neurobiology, 2015) 。本報告で使用したカンデサルタンは日常臨床においてすでに使用されており、その安全性は確立されているため、すぐに臨床応用を検討でき、意義深い結果と考えている。ただし、本論文では、脳血管内皮細胞単独モデルを使用した結果であったため、今後、複数の共培養モデルに虚血、炎症刺激を加えることでneurovascular unitにおけるサイトカインネットワークの詳細な検討を行う。さらに産生されたサイトカインがBBB機能に与える影響を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画記載どおり、脳虚血の条件設定及び炎症モデルにおけるLDS濃度設定など順調に進展している。われわれのモデルにおける血液脳関門の機能評価も進んでおり、今年度はメカニズム解明に着手できる状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書記載どおり、複数の共培養モデルに虚血、炎症刺激を加えることでneurovascular unitにおけるサイトカインネットワークの詳細な検討を行う。さらに産生されたサイトカインがBBB機能に与える影響を検討する。またさまざまな薬剤が血液脳関門機能に与える影響、neurovascular unitにおけるサイトカインネットワークに与える影響も検討していく。更に免疫染色、real-time PCR法にて、claudin-5、occludin、ZO-1といった代表的なtight junction proteinsの発現、遺伝子発現を比較する。また、RAGE(Receptor for Advanced Glycation End Product)、LRP-1 (LDL receptor-related protein 1)といったBBB機能に密接にかかわるトランスポーターの発現調節機構を検証する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の実験においては、既存の試薬、セルカルチャープレートなどを使用したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、研究進行に伴い、新たな試薬、抗体などの購入を予定している。また、研究成果発表のための旅費、会議出席も予定している。
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