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2014 年度 実施状況報告書

超免疫不全マウスを用いた膠芽腫に対する免疫細胞化学療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26861159
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

松田 良介  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60453164)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードγδT細胞 / NK細胞 / NOGマウス / Bisphosphonate / テモゾロミド / ベバシズマブ
研究実績の概要

膠芽腫は標準治療である手術、放射線療法、化学療法に抵抗性の予後不良の腫瘍であり、新たな治療法が切望されている。一方で膠芽腫に対する免疫療法として細胞傷害性細胞(キラー細胞)、とりわけγδT細胞やNK細胞と呼ばれるHLA(Human leukocyte antigen)非拘束性キラー細胞を用いた免疫細胞療法が注目されている。これらの細胞を用いた免疫細胞療法と既存の化学療法を融合させた免疫細胞化学療法は膠芽腫に対する治療効果を改善させる可能性がある。
本研究は膠芽腫に対するγδT細胞およびNK細胞の治療効果を確認するとともに、既存の化学療法を融合させた際の治療効果を検討することを目的とする。
ヒト末梢血より免疫細胞を分離し、骨粗鬆症薬で第3世代の窒素含有Bisphosphonateであるミノドロン酸とInterleukin-2等の存在下で2週間増幅培養することで90%以上の純度でγδT細胞が得られた。重度免疫不全マウスであるNOGマウスの皮下にヒト膠芽腫細胞株U87MGを移植することで皮下腫瘍が形成された。U87MG移植NOGマウスの腹腔よりγδT細胞とミノドロン酸を投与し、腫瘍体積を比較することで抗腫瘍効果を確認した。その結果、γδT細胞ならびにミノドロン酸単独では抗腫瘍効果は認められなかったが、双方を投与することで非常に強い抗腫瘍効果が認められた。以上の結果より、ミノドロン酸とγδT細胞を組み合わせた免疫細胞化学療法は膠芽腫に対する治療効果を改善させる可能性がある。
次年度はNK細胞とアルキル化剤であるテモゾロミドや血管新生阻害剤であるベバシズマブを併用した場合の抗腫瘍効果を検証する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度はγδT細胞を用いた膠芽腫に対する免疫細胞化学療法について、平成27年度はNK細胞を用いた膠芽腫に対する免疫細胞化学療法を膠芽腫細胞移植NOGマウスを用いて評価する予定であった。これまでにγδT細胞を用いた免疫細胞化学療法について、γδT細胞とBisphosphonateを併用することで膠芽腫細胞移植NOGマウスに対して著明な抗腫瘍効果が確認されており、臨床応用に向けた明確な情報が得られた。

今後の研究の推進方策

これまでに高純度なNK細胞を効率的に増幅できる培養法を確立している。本培養法で得られたNK細胞は、これまでに報告のあるLAK(Lymphokine-activated killer)療法に用いられたLAK細胞より強い膠芽腫細胞に対する増殖抑制効果やキラー活性を有している。今後は、本NK細胞とアルキル化剤であるテモゾロミドや血管新生阻害剤であるベバシズマブを併用した場合の膠芽腫細胞移植NOGマウスに対する抗腫瘍効果を検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験がおおむね順調に推移し、次年度の計画が若干前倒しになったため。

次年度使用額の使用計画

平成27年度はNK細胞を用いた免疫細胞化学療法の検証を実施する。綿密に実験計画を立てて研究資材を購入し、実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 膠芽腫細胞株におけるミノドロン酸の抗腫瘍効果の検討2015

    • 著者名/発表者名
      松田良介、中村光利、中澤務、西村文彦、辻村貴弘、中瀬裕之
    • 学会等名
      日本免疫治療学研究会学術集会
    • 発表場所
      東京ガーデンパレス(東京都文京区)
    • 年月日
      2015-02-28 – 2015-02-28
  • [学会発表] ヒト末梢血由来細胞傷害性γδT細胞は膠芽腫細胞株を殺傷する2014

    • 著者名/発表者名
      中澤務、中村光利、松田良介、朴永銖、本山靖、新靖史、弘中康雄、中川一郎、西村文彦、丸谷明子、王寺典子、辻村貴弘、王寺幸輝、吉川正英、中瀬裕之
    • 学会等名
      日本がん免疫学会学術集会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県松山市道後町)
    • 年月日
      2014-07-30 – 2014-08-01

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公開日: 2016-06-01  

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