脳梗塞の新規治療法として神経幹細胞移植が考えられているが,適切な移植時期の検討は行われていない.従来は脳梗塞後急性期での移植の検討が多く行われていたが,本研究ではマウス脳梗塞モデルで亜急性期に細胞を移植し,効果と機序を検討した. 脳梗塞3週後の亜急性期においても,iPS細胞由来神経幹細胞の移植により機能回復が促進された.しかし非移植群においても緩徐に機能障害は回復し,梗塞14週後の時点では両群に大きな差異は認められなくなった.また機能回復の促進は移植細胞の生存とは関連がなく,この効果は移植細胞が新規神経回路を構築するneural replacement効果によるものではないと推測された.
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