研究課題/領域番号 |
26861182
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永野 昭仁 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60422721)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | micro RNA / clear cell sarcoma / microarray |
研究実績の概要 |
1.siRNAの作成とknockdown効率の確認: 明細胞肉腫(clear cell sarcoma; CCS)の融合遺伝子を標的としたsiRNA (siEWS/ATF1; siEA)を作成し、CCS cell lineにtransfectionしたところcontrol siRNAと比較して93%のknockdownを確認できた。 2.microarrayによるmiRNA発現プロファイル変化の同定: control siRNAとsiEAをそれぞれtransfectionしたCCS cell lineよりtotal RNAを抽出し、microarrayでmiRNA発現プロファイル変化を確認した。結果、最も発現量がupregulateされていたmiR-3127-5pの解析を行うこととした。 3.miR-3127-5pの機能解析: siEAのtransfectionによって発現量が変化するmRNAについてもmicroarrayを行ったところ、GATA5遺伝子の発現量が最も抑制されていた。実際にCCS cell lineにsiEAをtransfectionしGATA5 mRNA発現量をRT-PCRで確認したところ有意に減少していた。また、miR3127-5pをCCS cell lineに導入したところGATA5 mRNA発現量は有意に減少し、CCS cell line細胞増殖を抑制した。さらにwound healing assayにおいてもwound healingを遅延させることを確認した。 4.GATA5の機能解析: GATA5に対するsiRNA (siGATA5)を作成し、CCS cell lineにtransfectionしたところ、細胞増殖は抑制された。また、wound healing assayにおいてはwound healingを遅延させていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書で計画していた通り、明細胞肉腫における融合遺伝子EWS/ATF1によるmicroRNAの発現プロファイルの変化を同定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
CCS cell lineに対するsiEAはmiR3127-5pをupregulateさせ、GATA5をdownregulateさせていることが確認できた。すなわち、miR3127-5pの導入、GATA5の抑制がCCS細胞増殖を抑制させ、新たな治療法となる可能性が示唆された。今後GATA5を強制発現させた際の細胞増殖速度の変化や、wound healing assayによる遊走能の変化について検討を行い、最終的にはxenograft modelを作成して治療効果を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画書を作成した際に想定していたよりも順調に実験が進み、再実験などが必要でなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
GATA5の機能解析およびヌードマウスを用いたCCSのxenograft modelを作成し、in vivo治療モデルの確立を目指す。
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