研究課題
われわれは、関節軟骨の変性を抑制する新しい治療法として、細胞外基質糖タンパクのひとつであるテネイシンC(TNC)に着目しており、これまでin vivoにおいて、マウスの前十字靭帯・内側側副靭帯を切離した変形性膝関節症モデルを用いた研究で、full-lengthのTNC10μg/mlを関節内に投与することで軟骨変性抑制効果が得られたことを報告した。今回、in vitroにおいて、ヒト軟骨の培養細胞を用い、full-lengthのTNCを添加することによる、サイトカイン、Growth Factor、軟骨基質分解酵素などの発現を、real time PCRを行い検討した。結果、培養軟骨細胞にTNCを添加することにより、内因性TNCの発現が増加することが分かった。TNCをアップレギュレートすると報告されているTNFα、IL-1β、NFκBもTNCの添加により発現が増加した。また、軟骨基質代謝におけるanabolic factorであるTGFβ、TIMP3が有意に上昇し、軟骨破壊に強く関わるとされるADAMTS5は有意に発現が低下した。
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