研究課題
申請者のグループではこれまで同様に変形性関節症の発症予防について軟骨細胞の恒常性維持機構に着目し、イオンチャネルを軸とした解析を行ってきた。今年度も前年に引き続き細胞のアポトーシス誘導物質である炎症性サイトカイン(TNF-alphaとIL-1beta)を併用し疑似OAモデルを作成する事により実験を行ってきた。研究におけるターゲットとして軟骨細胞のみならず関節構成組織である線維芽細胞様滑膜細胞(fibroblast-like synoviocyte: FLS)をも利用し電気生理学アプローチだけではなく関与イオンチャネルの分子実体を明らかとする為に細胞容積変化やPCR、ELISAを併用し機能解析を行ってきた。本研究を通じて容積感受性に関わる陰イオンチャネル(特にClイオンチャネル群)の分子実体解明にあたってきたが、結果としてはいくつかのチャネル分子の複合体である事が明らかとなってきた。その結果は雑誌「Osteoarthritis & Cartilage」に「Activation of a chondrocyte volume-sensitive Cl conductance prior to macroscopic cartilage lesion formation in the rabbit knee anterior cruciate ligament transection osteoarthritis model」として発表を行った。今後は現在も構築途中である細胞シミュレーションモデルの完成に向け研究を継続していく予定である。さらには今回得られた結果を動物実験のみならず、臨床に応用すべく検討を行っていく予定である。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
Osteoarthritis and Cartilage
巻: 24 ページ: 1786-1794
10.1016/j.joca.2016.05.019