研究課題
変形性膝関節症(OA)患者の手術の際に軟骨組織を変性部・非変性部に分けて採取し、軟骨分化促進転写因子Nkx3.2の遺伝子発現が非変性部より変性部において低下していることを確認した。我々は以前より滑膜の間葉系幹細胞を高密度培養し、アスコルビン酸を添加することで細胞外基質を豊富に産生させ、軟骨再生能を有するTissue Engineering Construct(TEC)を開発し、臨床研究を行っている。この軟骨再生効率を高めるために、マウス・ヒトNkx3.2遺伝子を導入したプラスミドを作成して滑膜細胞に遺伝子導入し、Nkx3.2の遺伝子発現が約90~30000倍に、軟骨分化促進転写因子Sox9の遺伝子発現が約2~7倍に増加していることを確認した。この滑膜細胞を用いてTECを作成し、軟骨への分化能を確認したところNkx3.2遺伝子導入群ではSox9の遺伝子発現がコントロール群の約2.8倍に増加していたが、軟骨ペレットや軟骨基質の有意な増大は認められなかった。そこでTECによる軟骨再生の効率を高める新たな方法として、滑膜間葉系幹細胞のバンク化による同種移植の可能性を検討した。手術で豊富に採取可能なOA患者と関節リウマチ(RA)患者の滑膜間葉系幹細胞より作成したTECをヌードラットの膝関節軟骨欠損部に移植したところ、良好な軟骨再生能を認めた。以上よりOA患者やRA患者由来の同種滑膜間葉系幹細胞は軟骨損傷治療の有効な選択肢となる可能性が示された。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 13件、 査読あり 13件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 7件)
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