動物実験により,超早期の損傷部骨性架橋の画像の特徴を示すことと,成長 軟骨欠損部に対する再生医療の可能性を示すことで,これまでの研究を土台にして,骨端成長軟骨の早期閉鎖を生じる画像によるメカニズム解明と再生医療の可能性を追求する. 平成28年度までの成果として、ドリリングによる成長軟骨板の損傷面積の横断面積比は、3.0mm群で4.6%、1.2mm群で2.3%であった。非損傷部成長軟骨板高は、3.0mm群では内外側ともに損傷後10週、12週後で対照側に比べて損傷側で有意に低下し、1.2mm群では内外側ともに12週後に損傷側で有意に低下した。単純X線を用いた脛骨長の評価では両群ともに12週後に損傷側で有意に短縮を認めた。μCT像では12週後の評価で3.0mm群では全例に、1.2mm群では8例中5例に骨性架橋の形成を認めた。組織学的には3.0mm群で10週から、1.2mm群で12週から成長軟骨板における柱状構造の乱れが生じ、両群ともに12週では有意に損傷側で成長軟骨板高が低下した。 成長軟骨板損傷後に、MRIを用いて早期に成長軟骨板高の変化をとらえることが可能であり、その後の成長障害の有無を推測できることが明らかとなった。これらの結果に関して、学会報告および英語論文の投稿をおこなった。 また関節軟骨の評価に昨今用いられている、T2マッピングや拡散強調画像といった新しい撮像法を損傷軟骨板の評価に用いることで、さらに早期の成長軟骨板障害の評価が可能となる可能性があるため、これらを利用した画像評価を継続して行っている。
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