研究実績の概要 |
椎間板変性の予防につながる疫学データを提示するため、申請者は本研究のThe Wakayama Spine Study の4 年間における追跡調査を行い、現在までに以下のことを明らかにしておりインパクトのある学術論文に多数掲載している。 1) 年齢層ごとの変性椎間板の有病率は50 歳未満で約70%、50 歳以上で約90%である。2) 椎間板変性をひとつでも有する場合に腰痛の頻度が高くなる。3) 椎間板変性はメタボリックシンドローム(肥満、高脂血症、糖尿病)と有意に関連する。4) とくに糖尿病は椎間板変性の新規発症に強く関連する(4 年間の追跡データ)。5) 椎間板変性および椎体終板変化の併発は腰痛に強く関連する。(1,2;M.Teraguchi et al. Osteoarthlitis & Cartilage 2014, 3;M.Teraguchi et al. PLoS ONE 2016,4;M.Teraguchi et al. Osteoarthlitis & Cartilage 2016, 5; M.Teraguchi et al. The Spine Journal 2015) さらに申請者は現在まで、横断的なデータ報告および4 年間の短期の縦断調査にて得られた全脊柱における椎間板変性の基礎データの報告を日本および世界に先駆けて行い多くの賞を獲得し、反響を得ている(日本整形外科学会奨励賞 2015, 国際腰椎学会議(ISLLS)口演2013-2016, アジア太平洋整形外科会議(APOA) 口演 2013,2015, 整形災害外科科学研究助成 奨励賞2014, 北米脊椎学会議(NASS) 口演2013)。 現在もデータの報告のために研究を邁進している。
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