研究課題
昨年度までの結果から従来用いてきたパウダー状のコラーゲン材料では椎体に経皮的に投与することが困難であることが示唆された。また、これまで用いてきたクロストリジウムヒストリティカム由来のコラゲナーゼColHに存在するコラーゲン結合ドメイン(CBD)、PKDドメインを有するコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF-PKD-CBD)では十分な効果が得られなかった。そこで今年度は担体の最適化とコラーゲン結合型成長因子の最適化を行った。パウダー径の最小化を試みたが、経皮的投与時にシリンジ内へのパウダーのロスを生じした。そこで、容易に経皮的投与可能な骨形成促進剤を開発すべくゲル状コラーゲンとコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子の組み合わせによる骨形成促進法の開発試みた。コラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子はクロストリジウムヒストリティカム由来のコラゲナーゼColGに存在するCBDを1つ有するbFGFCBD,2つ有するbFGFCBDCBDを新たに作製し検討に用いた。骨形成能の評価が簡便なマウス大腿骨骨折モデルを用いて骨形成能の検討を行った。投与、2週、4週でmicroCTによる評価を行った結果、ゲル状コラーゲン材料を用いた場合はbFGF, bFGFCBDに比べbFGFCBDCBDが極めて高い骨形成促進を有することが明らかになった。また、ゲル状にすることで経皮的に投与可能であることが示された。現在、ラット椎体欠損部に投与し、検討を行っている。
3: やや遅れている
当初予定していたコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子とコラーゲンパウダーの組み合わせでは当初予期していた効果が得られなかった。経皮的投与に最適な担体の探索とコラーゲン結合型成長因子の最適化に時間を要したため、in vivo での骨形成評価が遅れている。
今年度に担体の最適化とコラーゲン結合型成長因子の最適化に成功したため、今後は椎体骨折モデルを用いて評価を行う予定である。
コラーゲン結合型成長因子の最適化と担体の最適化に大きく時間を要した。そのため、当初予定していた動物モデルを用いた実験が大幅に遅れたことにより、予算執行が遅れ次年度使用額が生じた。
本年度に予定していた動物実験と次年度に予定していた動物実験を合わせて本年度に行うことで予算を執行する。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)
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