現在、脊椎領域では、長範囲矯正固定術などの侵襲の大きな手術が普及し、椎体の骨癒合不全は成績不良に直結する重大な問題となっている。本研究では確実に骨癒合を得る方法を模索すべく、高密度にコラーゲンを含む同種骨組織とコラーゲン結合型塩基性線維芽細胞増殖因子(CB-bFGF)を用いた骨形成促進法の開発を行った。ラット後側方固定モデルを用いて検討を行った結果、CB-bFGFを結合させた同種骨は、同種骨単独に比べ高い骨形成能を有していることが明らかになった。また、組織学的検討から、CB-bFGF結合同種骨は軟骨形成促進を介して骨形成を促進していることが明らかになった。本方法は骨癒合促進に有用かもしれない。
|