研究課題/領域番号 |
26861214
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐藤 敦 昭和大学, 医学部, 助教 (10445596)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 骨髄間葉系幹細胞 / 関節リウマチ / 変形性膝関節症 / 抗炎症作用 / 免疫調整作用 |
研究実績の概要 |
ヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSCs)は細胞治療として多くの疾患に適応されつつある。近年hMSCsの機能として抗炎症作用、免疫調整作用を有することが報告され、筆者らもこの点に着目して研究を継続しhMSCsが脊髄損傷マウスにおいて抗炎症作用を有する可能性について報告した。また、このhMSCSがpituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP)というタンパク質を介して脊髄損傷後の炎症を調節する機序について追加報告した。当該研究の目的は、炎症性免疫疾患に代表される関節リウマチや半月板・軟骨損傷に起因する変形性膝関節症に対する新規治療法を開発するための基礎研究を行うことである。当該年度はHTLV-1 tgマウスを用いて関節の肥大及び体重の評価を継続し、arthritis scoreを用いて臨床的関節炎評価を継続した。さらに、hMSCsと膝関節液との共同培養を行うための前段階として、ヒト臨床において関節リウマチ、半月板損傷、変形性膝関節症に対する診断、保存加療、手術加療を行い、ヒト臨床研究につなげるための礎となる症例の治療を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究の目的は、ヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSCs)の新たな作用としてわかってきている抗炎症作用、免疫調整作用に着目して、関節リウマチ、変形性関節症の新たな治療方法を開発するための基礎研究を行うことである。今年度は次年度以降に予定しているヒト膝関節内組織を採取しhMSCsとの共同培養を行うための臨床治療経験を積み、概ね予定通り進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きHTLV-1 tgマウスの経時的関節炎評価を継続する。また、関節炎惹起抗体を用いたCIA関節炎モデルの血液生化学的検討、免疫組織化学的検討を行う。また、hMSCsをヒト膝関節組織との共同培養を行うための予備試験を行う。 関連学会に積極的に参加し最新の知見を得ると同時に研究結果の発表を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費、その他費用が少なかったが、学会発表による出張費が高くなったものの、前年度よりの繰越し金があり全体としては差額が生じる結果となった。
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次年度使用額の使用計画 |
概ね予定通りの運用となっているので、今年度も計画通り研究を遂行できるように運営して参ります。
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