研究課題/領域番号 |
26861222
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
五十嵐 朗 山形大学, 医学部, 助教 (40637170)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 強制オスシレーション法 / 周術期呼吸器合併症 |
研究実績の概要 |
本研究は患者の個人データを用いる臨床研究であるため、患者への本研究の説明同意書を作成し、当院内の倫理委員会で本研究実施に関する承認を得た。本研究は全身麻酔下の外科手術を受ける患者を対象とするため当院の外科と協力して研究を進める必要があった。当院で外科手術を受ける術前に、外科医師と連携して、患者に対して本研究に関する説明を行い同意書を所得し、通常の呼吸機能検査に加えてモストグラフ(強制オスシレーション法)を施行するシステムを確立した。また本研究に参加する患者数が膨大なものとなることが予想されるため、複数の研究者が患者データを入力できるシステムをパーソナルコンピュータ、データ管理ソフトを用いて作成した。個人情報保護の観点から、患者を特定できる個人情報はインターネットに接続されていないパーソナルコンンピュータ上で整理番号を用いて管理し、他の端末では整理番号を用いてデータの入力を行った。胸部外科より手術患者の登録を開始し、69名の患者が参加している。その内訳は心臓血管外科手術患者が30名、肺、縦隔疾患外科手術患者が39名となっている。以前の研究により心臓血管外科手術や肺、縦隔疾患手術は、周術期の呼吸器合併症のリスクが高い事は知られている。このような患者において、強制オスシレーション法のパラメータから周術期呼吸器合併症の予測因子を確立できれば今後の医療においての意義は非常に大きいと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度は、患者への説明同意書の作成、院内の倫理委員会での本研究実施の承認、外科医師との研究実施についてのシステム確立を行った。患者の登録も行い68名の登録を行った。今後も順調に患者登録を行うことが行うことができると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
対象患者の登録を行っていく。モストグラフは近年考案された検査法であり強制オスシレーション法のパラメータと周術期呼吸器合併症の関連を調べた研究は前例がなく、事前のパワー解析による目標症例数の決定が困難である。そのため研究期間の途中で中間解析を行い検討に必要な症例数を決定する。症例全体を対象に、強制オスシレーション法のパラメータと周術期呼吸器合併症の関連を調べるとともに、手術部位別に対象をサブグループに分け、サブグループ毎に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定より症例の登録に時間がかかっています。症例数が確保された後、保存した血清からELISA法にて呼吸器疾患急性増悪に関連した炎症バイオマーカーを測定する予定です。
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次年度使用額の使用計画 |
症例数が確保された後、保存した血清からELISA法にて呼吸器疾患急性増悪に関連した炎症バイオマーカーを測定する予定です。そのため差引額は使用できます。
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