研究課題
本研究は患者の個人データを用いる臨床研究であるため、患者への本研究の説明同意書を作成し、当院内の倫理委員会で本研究実施に関する承認を得て行った。本研究は全身麻酔下の外科手術を受ける患者を対象とするため当院の外科、麻酔科と協力して研究を進める必要があった。当院で外科手術を受ける術前に、外科医師と連携して、患者に対して本研究に関する説明を行い、同意書を所得し、通常の呼吸機能検査に加えてモストグラフ(強制オスシレーション法)を施行した。個人情報保護の観点から、患者を特定できる個人情報はインターネットに接続されていないパーソナルコンンピュータ上で整理番号を用いて管理し、他の端末では整理番号を用いてデータの入力を行った。胸部外科より手術患者の登録を開始し、157名の患者を登録した。その内訳は心臓血管外科手術患者が77名、肺、縦隔疾患外科手術患者が80名となっている。患者の平均年齢は69.6歳、男性104名、女性53名であった。周術期呼吸器合併症を認めた患者は25名、周術期呼吸器外合併症を認めた患者は27名であった。今後術前の呼吸機能検査や強制オスシレーション法の各パラメータと周術期呼吸器合併症の関連について統計学的解析を進めていく。以前の研究により心臓血管外科手術や肺、縦隔疾患手術は、周術期の呼吸器合併症のリスクが高い事は知られている。このような患者において、強制オスシレーション法のパラメータから周術期呼吸器合併症の予測因子を確立できれば今後の医療においての意義は非常に大きいと考えられる。
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Respir Investig.
巻: 3 ページ: 111-116
10.1016/j.resinv.2015.01.002. Epub 2015 Feb 21.