研究課題/領域番号 |
26861230
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 健史 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50725520)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 人工呼吸管理 / 急性呼吸促迫症候群 / 人工呼吸関連肺傷害 |
研究実績の概要 |
当初の計画通り、人工呼吸管理中の二つの異なる状況: 自発呼吸(SB)と筋弛緩で、異なるPEEP levelが肺換気/血流 (V/Q)分布及びtidal recruitmentに与える効果をdynamic CTを用いて検討した。VILI(人工呼吸関連肺障害)モデル作成後、兎をSBの有無及びPEEP高低 (high vs. low)に従って、4群に分類した。Crossover designで、各群6時間の人工呼吸管理後dynamic CTを撮影した。 今までに得た結果は、PEEPが適切な場合、SBの有無にかかわらず、tidal recruitmentは少なかった。PEEPが低い場合、SBを残すと、背側でのV/Q比が良く、酸素化能は有意に高かった: 175±68 vs. 79±30mmHgが、実はtidal recruitmentを有意に増加させていた: 15.7±6.5 vs. 10.3±1.9%。またARDSに対して、肺リクルートメント後、適切なPEEPを付加することで、有意にSB努力を軽減させることができた。 適切なPEEPを加えることで、過剰なSB努力を軽減でき、結果tidal recruitmentの減少にもつながることが新たに分かった。 現在は、6時間の実験後の肺の病理組織学的をおこなっているところである。 ARDSに対して筋弛緩で人工呼吸管理をせずとも、自発呼吸を温存したまま適切なPEEP付加で呼吸努力が軽減させることが初めて証明されつつあり、今後のARDSに対する人工呼吸管理に与える影響は大であると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備実験を丹念に行った、海外の著名研究者の協力が得られており度重なる議論を行えた、そして科研費によるしっかりとしたfinancial supportが得られていたことから、順調に研究が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に変更加えることなく、今年度は病理学的検索を進める。またCTの解析を進める。そして、まずは国際学会でその成果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
おそらくは、当初予定していたサンパウロ大学及びトロント大学訪問と研究打ち合わせをskype上でのdiscussionに変更し、その費用を物品に回し研究をしっかりと進めていったことが一番の理由であると思われる。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の予定通り、病理学的検索、CT解析を進め、国際学会での発表に使用する予定である。
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