研究課題
本研究の目的はTRPA1が呼吸ガス中の酸素濃度を体内に取り込む前に感知し、呼吸変化を引き起こす早期警告系としての役割を持っているのではないかという仮説を検証することであった。鼻腔三叉神経におけるTRPA1による軽度低酸素の感知は、重度低酸素となる前に、生体防御反応としての覚醒、呼吸の活性化を引き起こし、早期警告系としての役割を持つことが明らかとなった。生理学的変化を調べ、自然睡眠からの低酸素刺激による覚醒、呼吸の活性化にTRPA1を介した入力が重要であることが明らかとなった。TRPA1からの入力神経を検討するため、低酸素刺激による三叉神経の活性化を細胞外シグナル調節キナーゼリン酸化体によって確認し、TRPA1を介した入力は重度低酸素より軽度低酸素においてより意義を持つことが明らかとなった。鼻腔内三叉神経にTRPA1および低酸素感受性を付与するプロリン水酸化酵素が存在することを組織科学的に証明した。鼻腔三叉神経、気道迷走神経を別々に刺激するため、上気道と下気道を分離換気して低酸素刺激を行い、鼻腔三叉神経の役割が重要であることが明らかとなった。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)
Resp Physiol Neurobiol
巻: 206 ページ: 11-14
DOI 10.1016/j.resp.2014.11.003
九州高気圧環境医学会誌
巻: 15 ページ: 1-6