デクスメデトミジンは高血圧性肥大心筋において,正常心筋とは異なるメカニズムにより,虚血再灌流障害に対する直接心筋保護作用を発揮することが明らかとなった.正常心筋ではデクスメデトミジンはα2アドレナリン受容体を介した内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性化により新保護作用を発揮するが,肥大心筋においては,デクスメデトミジンの心保護作用は発現が増加しているα2アドレナリン受容体ではなく,発現が正常に保たれているイミダゾリン1受容体を介していることが示唆され,さらにその保護作用はeNOS非依存的である可能性が示唆された.
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