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2015 年度 実績報告書

流動力学環境下に観察する新規抗凝固薬の抗血栓性と、急性拮抗薬の決定

研究課題

研究課題/領域番号 26861241
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

小川 覚  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50636131)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード新規抗凝固薬 / フローチャンバー / 血液凝固 / 血栓
研究実績の概要

近年、利用可能な新規抗凝固薬は経口薬、静注薬ともに増加している。これらの薬剤には、ワルファリンといった従来の薬剤に比較すると脳出血等の出血性合併症が少ないとされる。一方で、ひとたび出血が生じるとその臨床像は非常に重篤であり、またその急性拮抗薬は確立されていない。本研究では、血流環境下で形成された血栓を多面的に観察するで、新規抗凝固薬と血栓形成制御の相互関係を解明することを目的とした。
最終年度は、抗トロンビン薬および抗Xa薬による血漿検体をもちいた拮抗実験を、静的な凝血学的マーカー、および全血検体をもちいた流体下観察によりおこなった。ダビガトラン、リバロキサバン、アピキサバンすべての抗凝固薬に対して、各種拮抗薬は静的な凝血学的検査所見を改善することが示されたが、プロトロンビン時間は第7因子の影響を強くうけることから、トロンビン生成試験で得られる結果との相関が弱かった。一方で、流体下実験ではトロンビン生成量の増加に応じて、拮抗薬による血栓形成能の上昇が得られたため、フローチャンバー装置は新規抗凝固薬の拮抗時におけるモニタリングとして有用である可能性が示唆された。また、新鮮凍結血漿による拮抗はプロトロンビン時間等の検査所見は改善するが、動的な血栓形成能を十分に回復させないことも確認された。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 心臓外科手術における凝固テストの活用法2016

    • 著者名/発表者名
      小川覚
    • 雑誌名

      日本臨床麻酔学会誌

      巻: 36 ページ: 204-211

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 大量出血における止血機能モニタリング2016

    • 著者名/発表者名
      小川覚、岡林志帆子
    • 雑誌名

      Thrombosis Medicine

      巻: 17 ページ: 17-25

  • [雑誌論文] 100歳のヘパリン. 心臓外科手術の抗凝固管理2016

    • 著者名/発表者名
      小川覚、中山力恒
    • 雑誌名

      臨床麻酔

      巻: 40 ページ: 2816-94

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 心臓外科手術における凝固因子補充療法2016

    • 著者名/発表者名
      小川覚、中山力恒、岡林志帆子
    • 雑誌名

      臨床麻酔

      巻: 40 ページ: 609-19

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Viscoelastic Device 原理と使い方・注意点2015

    • 著者名/発表者名
      田中健一、小川覚
    • 雑誌名

      Thrombosis Medicine

      巻: 2 ページ: 158-164

  • [学会発表] 抗凝固薬の拮抗治療・出血性合併症時の管理バンドル20152015

    • 著者名/発表者名
      小川覚
    • 学会等名
      京滋クリティカルヤングアカデミー2015セミナー
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2015-12-05 – 2015-12-05
    • 招待講演
  • [学会発表] 麻酔科医が知っておきたい血液凝固検査の基本2015

    • 著者名/発表者名
      小川覚
    • 学会等名
      第35回日本臨床麻酔学会学術大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2015-11-23 – 2015-11-23
  • [学会発表] ACC/AHA心疾患患者における非開心術管理のガイドライン, ガイドラインから読み解く、抗血小板薬、抗凝固薬投薬患者の取り扱い(シンポジウム)2015

    • 著者名/発表者名
      小川覚
    • 学会等名
      第20回日本心臓血管麻酔学会学術総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2015-10-10 – 2015-10-10
    • 招待講演
  • [学会発表] 周術期における輸液輸血療法の現状 -膠質輸液と血漿分画製剤の位置づけを考える- (ランチョンセミナー)2015

    • 著者名/発表者名
      小川覚
    • 学会等名
      第61回日本輸血細胞治療学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2015-05-30 – 2015-05-30
  • [図書] 症例で学ぶ周術期の凝固・線溶の管理 「人工心肺離脱後の止血困難」2015

    • 著者名/発表者名
      小川覚
    • 総ページ数
      P93-102
    • 出版者
      メディカルサイエンスインターナショナル
  • [図書] PBLD形式で学ぶ麻酔危機管理「危機的大量出血」2015

    • 著者名/発表者名
      小川覚
    • 総ページ数
      P77-87
    • 出版者
      克誠堂出版

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公開日: 2017-01-06  

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