神経細胞に対する全身麻酔薬・局所麻酔薬の毒性をミノサイクリン等が抑制できるかについて、ヒト神経芽細胞腫株SH-SY5Yを用いて研究を進めた。ブピバカインによる細胞毒性に対し、モルヒネ、ネクロスタチンがそのviabilityを改善することを明らかにしたが、細胞傷害をみた研究では逆に細胞傷害を亢進した。次に麻酔科関連薬剤、特にトラマドール及びその活性代謝物(Oデスメチルトラマドール)が癌細胞に与える影響についてヒト肺癌細胞株H358を用いて研究し、それらが癌細胞のviabilityを低下させることを明らかにした。また、その機序がアポトーシス増加もしくは細胞増殖能抑制ではないことも明らかにした。
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