研究課題/領域番号 |
26861251
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
甫母 章太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60385359)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 術後遷延痛 / 急性痛 / 妊婦 / 帝王切開 |
研究実績の概要 |
本研究は妊婦における急性痛の程度と慢性痛の発生に関わる因子の同定を目的とする。当該年度の研究計画は基礎研究及び臨床試験に関するスタッフのトレーニング及び医療スタッフの協力体制の構築を行う事にある。我々は基礎研究において協力施設である米国Wake Forest Univeresityにおいて慢性疼痛ラットにおけるオキシトシン髄腔内持続投与の効果に関する研究が行われた。また臨床試験に必要となるオキシトシンのELISA法による定量実験を行った。KIT内のオキシトシンの標準溶液で検量線を描くことができ、標準試薬においてオキシトシン定量を行うことができることを確認した。臨床試験にさきだち、麻酔方法の違いによる急性痛の程度、副作用の検討を行った。当院で現在行われている帝王切開術における硬膜外麻酔併用脊髄くも膜下麻酔とオピオイド添加脊髄くも膜下麻酔の術後の鎮痛効果及び副作用の比較検討を行い、当院で帝王切開を受けた妊婦43名(硬膜外麻酔併用脊髄くも膜下麻酔 20 名、脊髄くも膜下麻酔23 名)を対象とした。術後1日目にNRS(安静時、体動時)、離床状況、満足度、副作用の有無を調査した。オピオイド添加脊髄くも膜下麻酔は、鎮痛効果及び副作用の出現においての硬膜外麻酔併用脊髄くも膜下麻酔と同程度であり、硬膜外麻酔併用脊髄くも膜下麻酔とオピオイド添加脊髄くも膜下麻酔との麻酔方法の違いによる急性痛に術後痛の程度、副作用において有意差は認められなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
該年度の研究計画は基礎研究及び臨床試験に関するスタッフのトレーニング及び医療スタッフの協力体制の構築を行う事にある。基礎研究においては協力施設にて終了している。臨床試験はおおむね順調に進展しいる。髄液中オキシトシンの測定のためのELISA定量試験は進んでいるが、術前心理テストに関しては一部、課題もある。
|
今後の研究の推進方策 |
今後も基礎実験に関しては協力施設であるWake Forest University と連携する予定である。一部、協力施設において終了しているため、今後は臨床試験を中心に行う。 課題である術前心理テストについては精神科医、ペインクリニック医と連携する予定である。痛覚定量検査Pain Visionの測定のばらつきを減らすため、スタッフへの教育訓練を進め、測定の安定化をはかる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた動物実験が協力施設で大部分が行われたため、一部購入の必要がなくなったため。一方でその結果をふまえた臨床試験の購入品に使用する予定である。
|
次年度使用額の使用計画 |
現在使用しているPain Visionはレンタル品であるため購入する予定である。オキシトシンの測定に必要であるELISAで使用する物品の購入する。また臨床試験の結果の統計処理に必要なソフトSPSSの購入する。
|